4 新しい行財政システムへの方策②
行政経営型の新しい行財政システムの構築に向けて本町の町政全般にわたり以下の項目について方向性を示し、また、特に重点的に見直しを必要とする項目については評価基準(別表)に基づき必要性、有効性、効率性、公平性等の観点から見直しを図る。なお、目標に対して数値化を図ることはいうまでもないことである。
5 新時代に対応した組織機構を支える人材の育成
行政能率と人材育成
- [現況と課題]
- 今日、職員には、地方分権の進展にともない、高度化・多様化する住民ニーズに的確に対応するとともに、地域の特性に応じた施策を主体的に担い、企画・立案から実施まで、一貫して処理していく役割を果たしていくことが求められており、これまで以上に資質の向上や能力開発など、総合的な人材の育成が急務となっている。このため、これまでのような職務上必要とされる知識、技能などの修得を目的とする職場外での職員研修を中心とした人材育成方策を、仕事そのものが能力開発の柱であるとの認識を深めるとともに、自己啓発や職場研修、さらには、職場環境の整備等も含めた総合的なものへと転換していく必要がある。
- [取組事項]
- 常に問題意識を持って対処し、柔軟な思考と行動力を持ち、住民の期待と信頼にこたえ得る行政感覚と能力を備えた職員を育成する。今後とも、仕事の遂行及び目標へのチャレンジが人を育てるという発想のもと、効果的な研修技法や目標面接等を積極的に導入し、より実践的な研修を通して、各階層における政策形成能力の向上を図るとともに、職場研修の充実や人を育てる職場環境づくりを推進するなど、総合的な取組みを進める。このため、「斑鳩町職員人材育成計画」の策定を行う。
6 行政評価システムの確立
事務事業評価制度
- [現況と課題]
- 当町では、21世紀の町政を創造するにふさわしい「柔軟な行政体質」の構築に向けて、行財政システムの改革に取り組んでいる。なかでも、「行政評価システム」は、時代の変化を踏まえ、より質の高い行政サービスを効率的に提供していくために、成果重視の町政への転換、施策・事業の不断の見直しを着実に進める有効な手段であるといえる。行政が何をしたかでなく、住民生活にどのような成果が得られたのかという視点から、住民にわかりやすい形で施策や事務事業の目標と結果を示し、その達成状況を検証・評価するという不断の見直しの仕組みを町政のなかに取り入れていくことが必要である。
平成12年度から事務事業評価の試行を通じて、評価方法や評価結果の活用の仕方など様々な課題を把握・整理し、当町にふさわしい制度の確立に向け取り組みを行っている。しかしながら、行政評価を実効性のあるものにしていくためには、有効な指標の設定と数値化が不可欠である。平成12年から平成14年度の3ヶ年で活動指標と成果指標、さらに住民満足度や効率性を示す指標について整理・設定を行ってきているが、データの把握をしてないものや成果を示す適当な指標が数値化できなかった例もあり、必ずしも複数の視点から指標の設定ができたとはいえず、今後の課題として残されている。 - [取組事項]
- 平成12年から平成14年の3ヶ年を通じて得られた課題を整理し当町の行政規模に即した評価システムを構築し平成15年度より本格実施する。また、住民に対して説明責任を果たす意味からもインターネット等を活用し積極的に公表する。
政策評価制度
- [現況と課題]
- 「政策評価」は、施策や事業の推進の流れのなかで「評価」という過程を明確化し政策・成果重視の視点に立って、その評価結果を総合計画の推進管理や重点施策などの政策展開、翌年度の予算編成、組織機構の整備、事務事業の見直し等の事務改善など、町政のあらゆる分野において反映させ、活用していくことを目指すものである。先に述べた事務事業評価とこの政策評価は町政運営の両輪をなすものであるが、この評価作業自体の事務に与える負荷が大きく、事務事業評価の実施状況を見て慎重に導入時期を検討する必要がある。しかしながら、この行政評価システムの確立には事務事業評価と政策評価はいずれにしても重要であり少なくとも第3次総合計画の中期見直しまでには確立が必要である。
- [取組事項]
- 「行政評価」を町政運営の基本的なツールとして位置づけることにより、政策形成(Plan) ―政策実施(Do) ―政策評価(Check) ―政策改善(Action)、という年間を通じた経営サイクルのなかで、施策や事業の実績把握、政策評価、政策検討、事業立案、予算要求と査定などの一連の作業が進められていくことになる。基本的には、政策からそれを構成する施策及び事務事業に至るまでの体系(施策の体系)の各段階について、それぞれに適した方法で評価を行っていく必要があるが、最上位レベルでの政策は、ある意味で政治的判断に委ねられ、最終的には町長や議会の判断、あるいは住民の選挙等により評価されるべきものがある。
政策評価で大切なことは、行政として実現すべき姿を描き、政策目標が達成された状況を明確にし、達成すべき目標と比較して、現在どれぐらいの達成状況にあるかを測定すべきである。
また、評価を行ううえで必要となる政策の体系は、総合計画の体系を使用するのが適当である。なお、制度の確立時期は第3次総合計画の中期見直しまでに行う。
7 公営企業等の健全な運営
水道事業
経営の効率化と財政の健全化
- [現況と課題]
- 本町の水道事業は、普及率が100%に達し、これまでの投資・拡張時代から施設の維持管理時代を迎え、今後ともライフラインとして安全で良質な水を安定的に供給していくためには、自己処理水源の確保をはじめ、地震や渇水などの災害に強い施設づくりなど、料金収入の増加に結びつかない多額の投資資金を必要としている。さらに、節水型の都市政策に加え、独立採算制度などの厳しい経営環境におかれている。こうしたなかで、今後、水道事業の財政運営にあたっては、中・長期の財政収支計画を策定し自己資本拡充による安定供給を確保するとともに、事業経営の効率化と水道財政の健全化に努める必要がある。
- [取組事項]
- 水道事業全般にわたるコストの徹底した削減や経営の効率化を前提に、中・長期の事業計画をとりまとめ、これを基に現在の起債依存にともなう長期金利負担構造からの脱却や必要投資のための資金を確保する財政収支計画を策定し、節水型料金体系や、適正な原価を基本にした料金水準の見直しを行い,経営の健全化に努める。
安定供給システムの実現
- [現況と課題]
- 住民に安定して水を供給し、効率的運用を図るため、漏水防止・管末解消等のための配水管整備や有効的配水のための配水コントロールシステムの更新など、管網整備事業を計画的に実施する必要がある。また、渇水に強く、良質な水を安定的に供給するため、節水型社会を目指した中・長期の水需要予測を策定し、全町的な取組みのなかで水循環システムの推進や節水対策など、水の高度利用社会の実現を図るとともに、渇水や地震等あらゆる危機管理を想定した危機管理対策を総合的に推進する必要がある。
- [取組事項]
- 老朽管の布設替えや配水コントロール施設の更新を含む管網整備、渇水対策整備事業など、効率的かつ安定的な給配水システムの構築を図るほか、水需要予測や水道事業に関連して知り得た有効な情報を積極的に住民や関係機関に提供する。また、渇水等危機管理対策の拡充のための災害対策計画の策定やリーダーシップの発揮及び人的能力の強化のための訓練等を実施する。
住民サービスの質と量の向上
- [現況と課題]
- 水道事業の特性の一つに、常時性と即時性があり、水は、住民生活等に欠かせない生命の源であり、水に対する住民の様々な要望に対しては、24時間365日稼働体制により、迅速かつ適切に対応する必要がある。このようなことから、住民との接点である窓口や電話、現場等での対応体制と接遇能力の改善・向上をはじめ、住民との協働で水道事業の健全な発展を目指すため、公開性と透明性を高めながら住民との間での双方向性のあるコミュニケーションを図り、住民サービスの質・量アップに努める必要がある。
- [取組事項]
- 住民にわかりやすく、より便利で効率的な組織機構に改めるとともに、多様な住民ニーズ等に対応するため、窓口時間の1時間延長やコンビニエンスストアによる料金収納システムの導入を検討する。また、水質の安全指導の面から、小規模受水槽管理の点検・啓発指導や一人暮らし高齢者世帯等への水道訪問診断など、住民への利便性とサービスの向上にも取り組む。また、水道事業経営の今後のあり方等を議論するため、水道事業経営委員会の設置を検討する。
人と組織の活性化
- [現況と課題]
- 水道事業の構造改革計画を推進するには、その主体となる職員が企業職員としての意識改革やレベルアップを図ることが必要となる。また、より一層の改革の推進を図るため、第2次行政改革において、効率経営推進のための諸手当の抜本的見直しを図ったところであるが、働きがいのある職場環境の整備を図るほか、中・長期展望に立った職員定数の見直しが必要である。
- [取組事項]
- 企業職員として、意識(徹底したコスト意識と経営参画意識)改革と能力・技術のレベルアップを図るための研修や啓発活動、職員提案制度等の実施、効率化を前提とした職員数の適正管理(適正化計画の策定)や勤務体制の見直しを行うほか、職場環境の整備を図る。また、職員の勤労意欲と勤務実績が適正かつ公平に評価されるよう、相互チェックシステムの働く勤務評定制度の整備等を進める。
下水道事業
- [現況と課題]
- 公共下水道の進捗状況は、平成13年度末で事業認可区域243haに対し68ha、約28%の整備が完了し、管路延長は17kmとなっている。また、平成3年4月から平成12年3月末までに投資された資本額は約69億7,200万円に達し、地方債残高は約35億1,900万円となっている。一方、県施行の竜田川流域幹線は、平成17年中に完成見込みとなっている。このようなことから、町公共下水道は平成17年度中に供用開始となる見込みであり、これに向け法整備を早期に図らなければならない状況となっている。
- [取組事項]
- 平成17年に供用開始が可能となることから、平成14年度中に条例・規則等の整備を早急に図るとともに、使用開始に向けて住民に対する十分な説明と理解を深める。また、資金的には巨額の投資を既に行っており、資本費算入率により一般会計から下水道会計に対する繰り出し金にも影響すると考えられ、今後においても巨額の投資を必要とする。このことから、一般会計と十分協議を行い、適切な使用料を設定するとともに、中・長期にわたる財政計画を明らかにする。また、経営状況を計数的に明らかにするため、企業会計の導入も検討する。
土地開発公社
- [現況と課題]
- 土地開発公社の現況は、平成13年度末で用地取得の依頼を受け取得した土地の保有額が約23億3,500万円となっている。また、その内5年以上の長期保有額は約22億2,400万円となっており、保有額全体の95.2%を占めている。このようなことから、経営の健全化に努める必要がある。
- [取組事項]
- 5年以上の長期保有額が保有額全体の大半を占めていることから、「斑鳩町土地開発公社保有地処分計画」の着実な実施により経営の健全化に努める。また、今後の公社の運営にあたっては、「公有地の拡大の推進に関する法律」等を踏まえ、先行取得対象事業の早期実現を促進し、概ね3年を目途に公社保有地を処分する。特に、保有期間が長期にわたる土地については処分を積極的に行い、適正な運営を行う。
8 特別会計の堅実な運営
国民健康保険事業特別会計
- [現況と課題]
- 本町の国民健康保険事業は、高齢化の進行、疾病構造の変化、医療の高度化・多様化にともなう医療費の増大によって、その財政は危機的な状況にあり、特に一般被保険者にかかる収支は平成11年度から赤字に転落など厳しい状況にある。こうしたなかで、今後、国民健康保険事業の安定的な運営を図るためには財政の健全化に努める必要がある。
- [取組事項]
- 滞納対策については、法令に照らし適切に対処するとともに、課税客体の的確な把握、特別徴収班や徴収嘱託員等による滞納整理を強化し保険税の適正な賦課と収納率の向上に努める。また、保健事業等との連携を強化し、疾病予防や健康管理、健康づくり、体力づくり、生きがいづくりなどの総合的な施策の充実を図り、増加する医療費の抑制に努める。
介護保険事業特別会計
- [現況と課題]
- 介護保険制度は平成12年4月から導入され本町では平成14年3月現在、610人が認定を受けている。制度を導入するにあたり、平成12年3月に第1次「斑鳩町介護保険事業計画」を策定し、この計画に沿って事業を進めている。
今後は、被保険者の資格管理、要介護認定、保険給付、保険料の賦課徴収などに関する事務を円滑に進めるため、関係機関との連携を密にし的確に処理することが求められている。また、住民への理解と認識をさらに高めることも重要である。 - [取組事項]
- 介護保険制度は、介護者一人ひとりの現状に合わせた細かな介護の実施に向けて負担と給付を明確にする新しい社会保険制度である。このことから必要とする介護サービスを適切に利用できるよう、サービス基盤の整備と質の確保に努めるとともに、この制度の安定的な運営を行うため、今後も保険料の適正な賦課徴収に努める。






