1 基本認識
1. 行財政環境変化の状況
現在、我が国の社会構造は、急速に少子・高齢化が進展し、規制緩和や地方分権等も具体的実施段階にあるなど、大きく変貌する時期を迎えている。
また、地球温暖化、酸性雨など、地球規模で進行している環境問題に対しても、地域からの取組みが重要であり、その取組みを積極的に推進する必要がある。
一方、経済情勢においては、高度経済成長期に見られたような右肩上がりの成長はもはや期待できず、バブル経済崩壊後、深刻な構造不況状態に陥り、景気は長期にわたる低迷・停滞を続けており、厳しい状態をなお脱していない。既に、民間企業においては、このような社会経済情勢の変化に機敏に対応し、既存事業の廃止・縮小・統合・転換等の再構築、さらに雇用形態や賃金体系の見直し、経営の透明性の確保等、まさに生き残りをかけた懸命な努力を続けている。
国では、金融システム改革、介護保険制度の創設、年金制度改革、医療保険制度改革、省庁再編、公務員制度改革等の様々な形の制度改革への取組みが始まっているが、最近の景気対策にともなう歳出の増大や減税の実施により、財政赤字が大幅に増大し、財政状況は主要先進国中最悪の危機的状態にあり、その抜本的な構造改革はもはや猶予が許されない状態である。
本町においても、行財政の現況及び今後の見通しは、景気の長期にわたる低迷・停滞による税収の伸び悩み、介護保険制度の導入をはじめとする義務的経費の増大、また、平成14年3月末現在約177億円(一般・特別・公営企業会計及び町が債務保証を行っているもの全てを含む)、住民一人当たり約608,000円の負債等を抱えており、中長期的な財政運営を考えた場合、財政構造の硬直化、一般財源の不足が予想されるところである。
2. 改革の必要性及び目的
本町においては、昭和61年3月に「第1次斑鳩町行政改革大綱」を策定、さらに平成8年5月には「第2次斑鳩町行政改革大綱」を策定し、『社会情勢に的確に対応し得る組識の構築と、“心の故郷”となり活力と魅力ある地域づくりの推進』を基本方針に、第1次(昭和61年~平成2年度)・第2次(平成8年~平成12年度)行政改革を実施し、一定の成果をあげてきた。しかしながら、後の行財政環境については、ますます厳しさを増し、義務的経費等、経常的な経費の増大も予想され、本町が抱える様々な政策課題に対応し、また、将来の新たな住民ニーズ等に的確に対応するためには、思い切った発想の転換による行財政構造の抜本的な改革を行うことが必要かつ急務である。
さらに、現在、本町においては21世紀における新たな発展に向けた基盤づくりを目指した、新しい「第3次斑鳩町総合計画」を策定し、平成13年度より計画実施に取り組んでいるが、総合計画を着実に実現し、誇り得るふるさと”いかるがの里”を未来に引き継ぐためにも、行財政構造の抜本的改革は必要不可欠である。
これらの認識のもと、より一層住民の信頼を獲得することのできる、新しい行財政システムの確立を目指して、事務事業の見直し、組織の見直し、投資事業の見直し等を行ない、中長期にわたり健全で柔軟な行財政運営を可能とする抜本的な行財政構造改革を確固たる意志のもと推進する必要がある。
3. 改革の視点
(1) 改革の視点
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本町の行財政構造を、前例踏襲を基調とする行政管理型のシステムから、経済性・効率性・効果性をより重視した、行政経営型のシステムに転換する。
このため、職員一人ひとりが、コスト意識やサービス精神などの経営感覚を駆使して行財政運営を行い、多様化・高度化する行政課題に迅速に対応していくとともに、組織全体としても予算獲得を重視する考え方から、住民の視点に立った事務事業の成果を重視する考え方へと転換を図る。さらに、町として成果に関する情報を住民と共有し、成果に対する住民の意見を行財政運営に反映させることにより、改革に向けての自助努力を恒久的に行ってっていくことのできる行財政システムへの転換を図る。
(2) 重点項目
1 自己決定・自己責任による行財政運営
地方分権一括法の趣旨に沿い、国・県との役割分担及び良好な協力関係を維持しつつ、自己責任と自覚に基づき、自主的、自律的な行財政運営を行う。このため、職員の政策立案能力及び行政経営能力を高め、創造性及び経営感覚に優れた人材を育成することにより、組織全体の政策形成・遂行機能の充実を図る。
2 行政の守備範囲の再構築
行政と民間企業、行政と住民との役割を見直し、積極的に民間活力を活用するとともに、行政が提供する住民サービスに対するコスト意識や、住民サービスの限界について住民に理解を求め、適正な受益者負担を図る必要がある。
これにより、限られた行政資源を有効かつ効率的に運用し、サービスの高品質化を図る。
3 公平性・透明性の確保と説明責任の遂行能力の向上
住民とのパートナーシップが大切であるとの考え方に基づき、住民参加の行財政運営を行うためには、住民と行政が同じ視点に立つ必要がある。そのため、既存の広報公聴機能や情報公開制度を拡充するほか、財務状況の積極的な対応(バランスシート化)や政策形成過程での住民参加方法の検討など、透明性の確保と説明責任の遂行能力の向上を図る。






